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Ohとくだね情報局

 大学受験の登竜門。共通テストが「共通一次試験」だったお母さま、お父さまの時代から毎年ずーと難しくなり続けている事ご存じですか?「自分の時は大丈夫だったから」「自分が子どもの時よりもウチの子はよくできるから」絶対にウチの子は大丈夫!その油断、危険かもしれません。今回は、文理スクールのカリスマ講師、山田先生と、新科目「情報Ⅰ」の担当講師、松堀先生をゲストにお招きし今年の共通テストと今後の予想について伺いました。

2025年大学入試 共通テストを終えて

酒井:今年が共通テスト大幅改訂の年という事で、文理スクールの山田先生と松堀先生にお越しいただき、2025年共通テストについてお話をお聞きしたいと思います。山田先生、共通テストは2021年から始まっているかと思いますが、2025年が共通テスト元年って言われるのは何故ですか?

山田:「共通テストは2021年から始まったのに『本当の共通テストは2025年から』ってどう言うこと?」と思われるかもしれません。確かに共通テストは2021年から始まりましたが2024年まではそれまでのセンター試験と共通テストの移行期間のようなものでした。

酒井:へ~そうなんですね。それは何故ですか?

山田:なぜそうなったのかと言いますと、今回の受験者が高校1年次に新しい学習指導要領に基づいた新課程の初の学習者だったのです。そのためその指導要領に基づいた真の共通テストが実施されたのです。

酒井:なるほど。それで今年から情報Ⅰや公共、歴史総合・日本史探求、歴史総合・世界史探求など聞きなれない新しい教科や科目が登場しているんですね。それは受験生たちはかなり混乱したんではないですか?

山田:はい。実際過去問が無いような新しい入学試験に挑んだ受験生のストレスは計り知れません。私が指導しているBUNRI生たちはそんな環境の中でも、多くの生徒が健闘して各校舎に帰って来てくれました。

新しく生まれ変わった共通テスト

酒井:では今回の大きく生まれ変わった共通テストで、目新しい出題についていくつかご紹介いただけませんか?

山田:はい。今回から共通テスト国語において第3問に実用的文章が出題されるようになりました。その注目の第3問は「インフォームドコンセント」という外来語をわかりやすい日本語で言い換えるべきの是非や、言い換えた場合そのような立場により、どのような表現が好ましいのかということについて集めた資料を手がかりに論じたものを加筆、訂正するという問題が出題されました。(図1参照↑)

酒井:松堀先生大変お待たせいたしました。松堀先生は情報指導の専門家という事で本日お越しいただきましたが、今回から始まった情報Ⅰはどんな感じの出題でしたか?

松堀:今回の共通テストから新たに追加された『情報Ⅰ』の問題はどんな出題になるかとっても注目されていましたが、知識問題は少なめで、大半は文章の理解力や論理的思考力を日常生活の問題に絡めて問うものでした。そのため、これらの能力がある生徒は「情報Ⅰ」の科目をほとんど勉強しなくても6割以上取れていたみたいですね。ただ、一般的に入試の初年度は混乱を避けるためにあえて簡単にする傾向は見られることから、来年はもっと難しくなるんじゃないかと思います。

酒井:そうですよね~初回の出題が簡単だったからと言って、来年度以降の出題も簡単かというとそれはわからないですよね。一般的に初回は少し簡単めに出題して平均点を見ながら徐々に他科目と合わせていくという事が多いですからね~。具体的にはどんな問題が出題されたんですか?

松堀:面白そうな問題と言いますか、なじみのありそうな問題をご紹介いたします。スーパーマーケットの情報システムを題材にして、システムの理解やデータ活用を多角的に考えさせる問題が出題されました。具体的には、レシートの情報をどのように活用できるかを考えさせたり、店舗・本部・配送センター間のシステムを図式化して、流れの中で必要なデータを整理させる問題などがありました。こうした実生活に直結したテーマは身近なものをあらためて考えさせられる面白い問題だと思いました。(図2・3参照↓)

社会情勢や複合問題に関する出題

酒井:山田先生、英語の出題で、最初の年にビックマック指数に関する問題が出題されましたが、今回は何か目新しい問題はありませんでしたか?

山田:目新しい問題といえば、第2問のような「空飛ぶ乗り物」について出題でしょうか~。2025年の大阪万博でも展示がなされるとのことで話題ですが、それを意識したのでしょうか?実現されると本当に面白い世界が待っていると思いますが、今回の英語の問題では空飛ぶ車の短所や長所を端的に述べているところを把握する必要がありました。(図4参照)なお万博については現代文の第1問目の評論でも言及がありました。ちなみに現代文の同問題では「オーバーツーリズム」など最近の世の中の話題になっているものから出題される傾向が共通テストには多々あるようです。社会情勢にも目を向ける必要があると思いますよね。

もう一つ上げさせていただきますと、水槽の絵が出てくる問題も馴染みやすい問題と言えるかと思います。この問題では流れの速いところに住む魚と流れの遅いところに住む魚によって、水槽に入れる装飾品を変えようという問題でした。魚が動き回りやすいように、天然物の石や植物や人工素材を取捨選択をし、それぞれの位置を瞬時に考える能力が必要でした。英語力はもちろん必要なのですが、予備知識があれば解答がとってもスムーズだったのではないかと思います。そういう意味では理科と英語の複合問題と言えるかもしれません。
(図5参照)

松堀:私が目を引いたのは、数ⅠAのいわゆる太郎さん花子さん問題の噴水の問題ですかね~。「数学を勉強して何の役に立つの?」っていう事をよく小中学生から質問されますが、こういう問題が出題されることで、数学は案外、身近な場所でも使えるんだというメッセージになりますね。(図6参照↓)

身近な課題を取り上げた問題も

酒井:そうですね~実際には共通テストになって、文字数が増え、出題数が増え、丸覚えの知識だけでは答えられない、考えさせる問題や図表を読み解く問題が増えて難化しているわけですが、身近な課題を問題として取り上げていますので、とっても身近に思える入試になっていますね。

山田:その通りです。「歴史総合・日本史探求」では皆さんにおなじみの森永ミルクキャラメルが題材になったり(図7参照)、サザエさんで有名な長谷川町子の意地悪ばあさんの一コマが取り上げられたりしています。

  酒井:この出題も切り口が面白いですよね~。こんな出題が共通テストで出題されること自身がびっくりですね。こんな感じの出題が出るのが共通テストの特徴と言っても過言ではありません。是非皆さんも共通テストを見てみてください。なんか親近感がわいてきますね。今日は文理スクールの山田先生と松堀先生にお越しいただきお話をお聞きいたしました。本日は山田先生、松堀先生ありがとうございました。

 

 

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